オフショア金融センターとしてのキプロス誕生の背景
今回は、優秀な海外FX業者が複数存在するキプロスという国について、その背景を少しご紹介したいと思います。キプロスは、複雑な歴史背景をもっています。その昔はオスマン帝国の支配下にありましたが、ロシアからの脅威をかわすために英国の支配化に入ります。その後、1960年に独立しますが、北部に住む少数のトルコ系とギリシヤ系との対立が絶えず、1974年以降、北部の一部をトルコ軍が占領し、実効支配しています。
トルコ軍の占領によって、キプロス(ギリシャ系)の経済は大きな打撃を受け、2年間でGDPが3分の1にまで落込みました。その後、キプロスはにEUへ加盟し、大規模な政策の見直しが行われました。政府がまず行っだのが、年利6%~9%という高金利で世界中から預金を集め、法人税をヨーロッパでもっとも低い1%に設定し、外資を呼び込み、オフショア金融センターをつくり上げることでした。
そして、金融業に必要不可欠である弁護士事務所や、会計事務所などのインフラを整備しました。EUの法律が成立したことによって認可を受ける企業は、その国における規制を受ける限り、EU全域で営業を許されることになりました。これにより、多くの企業家がFXなどの企業をキプロスヘ設立し、有名な海外FX業者がさまざまな誕生しました。
その他、キプロスに多くの国際企業が登記する理由として、法律制度がイギリスに準じている点が上げられます。これは、世界一の金融都市である香港と類似しています。また、キプロスの教育水準は高く、就業人口における大学等の高等教育を受け左人の割合がヨーロッパのなかでもっとも高く、80%近い若者が海外の大学に進学します。
こうした学生が卒業後、キプロスに戻りビジネスを開始したり、キプロスに登記された多く国際企業において重要な役割を果たしたりしています。
近年、ギリシヤの財政が悪化し、ギリシヤ国債を大量に保有していた「キプロス銀行」は、大きな打撃を受けました。2013年のキプロスショックでは、10万ドルを超える預金に対して課税処置がとられました。課税対象の多くはロシア人の預金が占めており、一部ではロシアの麻薬資金洗浄のための課税措置であったと囁かれてかれていますが、キプロスのマネーロンダリング監視機構の証言によると、スイス・ドイツ・イギリス等の銀行に比べて極めて透明度が高いとされています。
キプロスショックは、多くの企業に打撃を与えましたが、現在においては、経営マネジメントができている企業とそうでない企業の選別がなされた状況にあります。